不世出の芸術家と謳われ、陶芸をはじめ書画・漆芸・
篆刻・料理など多彩な分野で一流の才能を発揮した
北大路魯山人の作品です。

侘びた景色の中に雅趣を内包した、風情漂う平鉢です。
絶妙なバランスで掛けられた釉が伊賀焼ならではの窯変で
美しい景色を呈する逸品です。
下地の色合いとの調和も見事で、外側をやや上向きに
反らせた器形も美しく、魯山人の作品を代表する
志野や織部にも決してひけをとらない秀逸作といえます。

【北大路魯山人 略歴】

1883年～1959年　76歳逝去　京都生
1889年　木版師 福田武造の養子となる。
1903年　書家を志して上京する。
1904年　日本美術展覧会にて隷書「千字文」で賞を受賞。
1905年　書家 岡本可亭に師事、住込みの弟子となる。
1925年　「星岡茶寮」を開設し、顧問兼料理長となる。
1926年　北鎌倉に築窯する。
1936年　アメリカ、ヨーロッパ各地を歴訪。
　　　　ニューヨーク近代美術館にて「魯山人展」開催。
1955年　重要無形文化財保持者の認定を固辞する。