高村光雲『西王母』 銘有

高村光雲『西王母』

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作品詳細

商品名 高村光雲『西王母』
商品説明

高村光雲(1852~1934)は、伝統的な仏師の技を基盤としながら、西洋の写実的な造形感覚を柔軟に取り入れ、日本近代彫刻の道を切り拓いた巨匠です。
幕末の廃仏毀釈により多くの仏師が職を失う中、その確かな技と美意識を岡倉天心に見出され帝室技芸員も担い、万博出品で重要文化財の「老猿」は東京国立博物館に所蔵されています。
高い地位にありながらも、仏師としての誇りを失うことなく、息子・光太郎が「父の職人気質が彫刻の絶滅を防いだ」と述べたように、時代の求めに応じて柔軟に創作を続け、新しい作風を切り開きました。

本作は、中国の神話に登場する仙女 西王母を題材とした像です。
西王母は長寿を願う吉祥の象徴として描かれ、日本では能の演目としても知られます。
不老長寿の仙桃を手に観音像のような優しい眼差しで佇む姿は、西王母の物語を想像させます。
能の演目『西王母』も「桃李もの言わず。下自から蹊を成す」の言葉と共に始まります。
立派な人物や物は語らずともその徳や魅力によって人々を惹きつける――本像もそのような気配を静かに漂わせています。

寸法 【本体】高 28.0cm × 幅 15.6cm × 奥 12.2cm
【台含む】高 31.6cm × 幅 20.8cm × 奥 16.4cm
【ガラスケース】高 50.0cm × 幅 25.0cm × 奥 23.5cm
付属品 ガラスケース / 高村達氏鑑定証書
状態 仕上がりも良く、概ね良好です。
写真をよくご覧の上、ご検討ください。
僅かな経年感は中古品の特性としてご了承下さい
略歴

1852年 東京に生まれる
1863年 仏師の高村東雲に入門
1874年 師に認められて高村光雲を名乗る
1877年 第1回内国観業博覧会に「白衣観音像」を出品
     龍紋賞受賞
1886年 東京彫工会設立
1887年 皇居造営に「葡萄に栗鼠」を制作
1890年 東京美術学校(現・東京藝大)教授。
     帝室技芸員拝命
1892年 「西郷隆盛銅像」の木型を制作
1893年 シカゴ万博に「老猿」を出品、優等賞を受賞(1894)
1897年 古社寺保存会委員
1907年 美術審査委員会委員
1919年 帝国美術院会員
1929年 国宝保存会委員
1934年 東京で逝去(享年82歳)

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