【特別展示のお知らせ】4月23日~6月20日 SAMURAI 

こんにちは。

「清明」の節気のとおり、鎌倉でも鳥や植物が生き生きとしています。

皆様はいかがお過ごしでしょうか。

早速ですが4月23日(金)より、TAKIYA ART MUSEUMにおきまして、

『特別展示 SAMURAI』を開催し、甲冑や刀装具を展示致します。

この画像の作品は、江戸明治期の金工界の巨匠、

最高峰の彫金家 加納夏雄の寿星乗鶴図鍔です。

Takiya Art Museumでも毎年展示をしている 加納夏雄

について少しご紹介致します。

加納夏雄は7歳の時に事情あって刀剣商の加納治助の養子になってから

12歳の若さで金工家の奥村庄八について、

彫金の初歩技術である魚子打ち(ななこうち)

(この鍔の素地に使われている細密に鏨うちする技法)や、

打ちだしなどを学んだ後、大月派の金工家 池田孝寿の門に入りました。

当時、工芸作品の多くが下絵専門の画工に頼むことが慣例の時代でしたが、

東京国立博物館などには、おびただしくされたデッサンの一部が

所蔵されており、刀装の巨匠といわれる長常(ながつね)・光興(みつおき)ら

の作品や、絵画作品としては、応挙の唐美人や呉春の花鳥、

宗達・光琳派の単純化と明快な装飾性のデザインなど、

さまざまなジャンルからその作品の良さを研究したことを

伺い知ることができます。

本作で主題とされている寿星は、「南極老人星を神格化した道教の神」で、

「天下泰平のときにしか姿を見せない」という信仰が存在するそうです。

よく見ると、気の遠くなるような均一さで鏨打ちされている素地は

温かみがあり、伸びやかに羽ばたく姿は平和な雰囲気を漂わせています。

一見親しみを感じさせるデザインに、超絶技巧が

さりげなく使われているところが、「技法そのものは伝統的であるが、

加納夏雄独特の絵画的手法は、空間のあけ方や、刀のリズム感

によって近代味を与えられた」と評される所以なのかもしれません。

『特別展示 SAMURAI』は4月23日(金)からです。

じっと観察すると見えてくるかもしれない

刀装の奥深い世界を堪能しに、是非ご来館ください。

ヤフオク・ECサイトでの美術品販売も行っております。

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最後までお読み頂きまして誠にありがとうございました。  (S)