こんにちは。
記録的な大雨のニュースに心痛む日が続きます。
浸水等で被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
7月3日(金)開催しておりますTAKIYA ART MUSEUM 近代工芸巨匠コレクションより、
今回は 富本憲吉 についてご紹介させて頂きます。
富本憲吉 Kenkichi Tomimoto 明治19年-昭和38年(1886-1963)
国際的な感覚と確固たる信念とで真に創造的な陶芸の確立を目指し、
日本における陶芸の近代化に大きな役割を果たした人物です。
明治41年 東京美術学校図案科在学中に英国へ私費留学、
ウィリアム・モリス等の影響を受け、『窯辺雑記』など著書も多く
工芸に対する鋭い思想を展開しました。
友人のバーナード・リーチが六世乾山に入門した際に通訳を
手伝ったことをきっかけに陶芸を始め、楽焼、土焼、白磁、染付、
色絵、金銀彩と絶えず新しい表現の可能性を求めました。
過去の伝承でない、創造的で独創性あふれる仕事を残しました。
『 色繪金彩香爐 』
「模様から模様を作らず」
模倣から「美」は生まれないという信条のもとで、
身近な自然や草花の写生から詩情豊かな模様の創作に精魂を傾けた富本憲吉。
本作は、金を溶着させるために施された赤絵の中心から、
菱形におさめられた羊歯模様が丁寧な筆致で描かれています。
晩年の所謂「京都時代」を代表する模様で、
美しい細やかな線の律動が端正な角香炉を彩っています。
また、火屋は「彫金」の人間国宝・増田三男の手による作で、
「香」の文字が透かしとなっています。
モダンで華やかな佇まいから、ぐっと細部に目を凝らすと、
艷やかなシダの葉に富本憲吉が見出した自然美への感動が、
伝わってくるかのようです。
近代工芸コレクションは8月30日(日)まで開催予定です。
是非この機会に、ご来館下さい。
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瀧屋美術のホームページはこちらから
大雨もまだ各地で降り続くようです、ご自愛くださいませ。
最後までお読み頂きまして
誠にありがとうございました。 (S)
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