こんにちは。
入梅を過ぎ、落ち着かないお天気が続いています。
皆様はいかがお過ごしでしょうか。
TAKIYA ART MUSEUM 近代工芸巨匠コレクションの
展示に先駆けて、近代工芸の巨匠とその作品を
本ブログでもご紹介させて頂きます。
板谷波山 Hazan Itaya
明治から昭和にかけて約60年間に渡って秀作を生み続け、
芸術としての「陶芸」を確立させたパイオニア的な人物です。
明治22年 岡倉天心が教員を務めた頃の東京美術学校で、
高村光雲に師事、厳格な芸術観を育み彫刻科を卒業しました。
東洋陶磁の伝統的な様式美を学び、当時西洋で大流行していた
アール・ヌーヴォーの図案を研究、デザインとして取り入れるなど、
独創的な装飾表現を追求し、現代陶芸の礎を築きました。
『 葡萄彫紋氷華磁香爐 』
波山が「氷華磁(ひょうかじ)」とよぶ作風は、
白磁土にかけた透明釉が還元焼成でやや青みを帯びたものです。
本作は、たっぷりとした器形に端正な三つ足、また両肩部より
耳が凛と立ち上がり、厚くかけられた釉薬によって、
香炉の持つ美質を昇華させている逸品です。
胴部には、古代ギリシャより豊穣のシンボルとして
中国そして正倉院へと伝わった葡萄唐草文が、
薄肉彫りにより質感豊かに表出されています。
これはブリジストン美術館や出光美術館所蔵の
「氷華磁葡萄文花瓶」にも使われている格式高い文様です。
巨匠の作品が放つ、心に直接刺さってくるような気迫を、
是非体験していただければと思います。
近代工芸コレクションは7月3日(金)より開催予定です。
是非この機会に、ご来館下さい。
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最後までお読み頂きまして
誠にありがとうございました。 (S)
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